こんにちは、「自己破産ドットコム」のブログを執筆している司法書士の久我山左近です。
自己破産を申し立てた方の中には、「免責審尋では何を聞かれるの?」「裁判官から厳しく追及されるのでは?」「うまく答えられなかったら免責されない?」と不安になっている方も多いでしょう。
「審尋」という言葉から、テレビドラマの裁判のように厳しい質問を次々にされる場面を想像するかもしれません。
しかし、免責審尋は申立人を責めるための手続ではありません。
免責審尋とは、裁判所が「この人の借金について免責を認めてよいか」を判断するため、破産者本人から直接事情を確認する手続です。
この記事では自己破産の免責審尋とは何か、当日の流れ、裁判官から聞かれやすい質問と回答例までを、司法書士の久我山左近が詳しく解説いたします。
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裁判官との免責審尋では、事実を正直に説明することが重要です!


自己破産の「免責審尋」とは?
自己破産には、大きく分けて「破産手続」と「免責手続」という2つの側面があります。
破産手続をしただけで、借金の支払義務が当然になくなるわけではありません。
原則として借金の支払責任から解放されるためには、裁判所から「免責許可決定」を受ける必要があります。
その免責を認めるかどうかを判断する過程で、裁判所が破産者本人から直接事情を確認する手続が「免責審尋」です。
裁判所の案内でも、免責審尋について、免責するかどうかを判断するために裁判所が本人へ直接事情を尋ねる手続と
説明されています。
つまり、自己破産を申し立てた人を叱るための場所ではなく、免責を認めて問題ないかを確認するための場所と考えると分かりやすいでしょう。
免責審尋では何を確認される?
免責審尋で特に重要になるのが「免責不許可事由」です。
自己破産を申し立てれば、どのようなケースでも必ず免責されるわけではありません。
たとえば、
- 財産を意図的に隠した
- 浪費やギャンブルなどによって過大な借金を作った
- クレジットカードで購入した商品を換金した
- 支払不能なのに返済できるように装って借り入れをした
- 虚偽の債権者名簿を提出した
- 財産について虚偽の説明をした
といった事情は、免責の判断で問題となる可能性があります。
そのため免責審尋では、主に「借金を作った経緯」「申立書に虚偽や漏れがないか」「現在の生活状況や改善状況」などについて確認される可能性があります。
免責審尋で聞かれる質問例TOP3+回答例
それでは、実際にどのようなことを聞かれる可能性があるのでしょうか。
事件の内容や裁判所によって質問内容は異なりますが、特に準備しておきたい3つのポイントを紹介します。
第1位「どうして借金が増えてしまったのですか?」
まず重要なのが、借金が増えた原因や自己破産に至った経緯です。
たとえば、
「生活費が不足して借入れを始めました」
「クレジットカードのリボ払いを利用するようになりました」
「パチンコや競馬などで借金が増えました」
「収入が減少して返済できなくなりました」
など、人によって原因は異なります。
特にギャンブルや浪費が借金の大きな原因になっている場合には、免責不許可事由との関係から事情を確認される可能性があります。
【回答例】
「収入だけでは生活費が足りなくなり、消費者金融から借入れを始めました。その後、返済のために別の会社から借りるようになり、借金が増えてしまいました。現在は家計を見直し、収入の範囲内で生活するようにしています。」
大切なのは、裁判官に良く見られる回答を作ることではありません。申立書に記載した内容と矛盾しないよう、実際の経緯を正直に説明しましょう。
第2位「現在、生活は改善されていますか?」
次に確認される可能性があるのが、現在の生活状況です。
自己破産制度は、債務者に経済的な立ち直りの機会を与える制度でもあります。そのため、借金の原因となった問題が現在どうなっているのかは重要なポイントです。
特に、
「ギャンブルを続けていないか」
「浪費をやめているか」
「家計を管理できているか」
「新たな借入れをしていないか」
などについて説明できるようにしておくとよいでしょう。
【回答例】
「現在はギャンブルをやめています。毎月の収入と支出を確認して、必要のない買い物を控えるようにしています。
今後は借り入れに頼らず、収入の範囲内で生活していきます。」
単に、「もうしません」と答えるよりも、「何を改善したのか」「今後どうするのか」まで具体的に説明できると、
自分自身の生活再建についても整理しやすくなります。
第3位「申立書に記載していない財産や借金はありませんか?」
自己破産では、財産や債権者を正確に申告することが非常に重要です。
「この財産を申告すると処分されるかもしれない」
「この債権者だけは知られたくない」
などと考えて、意図的に財産や債権者を隠すことは避けなければなりません。
財産を隠したり、虚偽の債権者名簿を提出したり、財産状態について嘘を述べたりした場合には、免責が認められない原因になる可能性があります。
【回答例】
「ありません。申立書に記載した内容のとおりです。」
もし申立て後に申告漏れに気付いた場合には、免責審尋まで黙っているのではなく、できるだけ早く依頼している専門家などに相談して対応することが重要です。
免責審尋の当日の流れは?
免責審尋期日が指定された場合には、裁判所から呼出状が送付されます。
裁判所の案内では、指定された日時・場所へ出頭するよう求められており、鹿児島地裁の案内では10分程度前に出頭し、呼出状・筆記用具・印鑑を持参するよう案内されています。
持参物などは裁判所によって異なる可能性があるため、実際には届いた呼出状の内容を確認してください。
一般的なイメージとしては、
①裁判所に到着
↓
②指定された場所で待機
↓
③免責審尋
↓
④裁判官から必要事項を確認される
↓
⑤審尋終了
↓
⑥後日、免責許可・不許可の決定
という流れになります。
なお、債権者は免責について意見を述べることができ、免責審尋期日に出席して意見を述べる場合もあります。
免責審尋でうまく答えられなかったら免責されない?
ここを心配する方は非常に多いでしょう。
しかし、免責審尋は面接試験ではありません。回答が流暢だったから免責される、緊張して言葉に詰まったから免責されない、という性質の手続きではありません。
むしろ注意したいのは、分からないことについて適当な回答をしてしまうことです。
正確な金額を覚えていないのであれば、「正確な金額は覚えていません」「申立書に記載した金額のとおりです」など、分かる範囲で正直に答えましょう。
裁判所の資料でも、申立書や審尋で虚偽の説明をすることは問題になると明確に注意されています。
ギャンブルや浪費があると免責審尋は厳しくなる?
ギャンブルや浪費によって著しく財産を減らしたり、過大な債務を負ったりした場合には、免責不許可事由に該当する可能性があります。
そのため、
「なぜギャンブルを続けてしまったのか」
「現在はやめているのか」
「再発を防止するために何をしているのか」
などについて確認される可能性があります。
ただし、免責不許可事由があるからといって、直ちに免責されないと決まるわけではありません。
個別の事情によっては、裁判所が事情を考慮して免責を認める「裁量免責」が問題となることもあります。
したがって、ギャンブルや浪費があるからといって隠すのではなく、専門家に事情を正確に伝えて対応することが重要です。
免責審尋で絶対に避けたいこと
免責審尋で特に避けたいのは、裁判官に良く思われようとして嘘をつくことです。
たとえば、本当はギャンブルで借金を作ったのに、「全部生活費です」と説明したり、所有している財産について、
「そんな財産はありません」と虚偽の説明をしたりするのは問題です。
裁判所は債権者からも意見を聴くことがあり、提出資料なども踏まえて免責を判断します。
「正直に・簡潔に・申立書と矛盾しないように答える」これが免責審尋に臨むうえで最も重要なポイントといえる
でしょう。
まとめ:免責審尋は怖がりすぎなくても大丈夫
自己破産の免責審尋は、裁判官が破産者本人から事情を聞き、免責を認めるかどうかを判断するための手続です。
特に確認される可能性があるのは、
第1位:なぜ借金が増えたのか
第2位:現在は生活を改善できているか
第3位:申告していない財産や借金がないか
といったポイントです。
免責審尋は「うまく話せるか」を競う面接ではありません。緊張してしまったとしても、質問された内容について事実を正直に説明することが大切です。
また、ギャンブルや浪費、財産処分、特定の債権者だけへの返済、申告漏れなど気になる事情がある場合には、自己判断で隠したり説明を変えたりせず、事前に自己破産を依頼している弁護士や司法書士などへ相談しましょう。
自己破産の免責審尋について正しく理解して準備しておけば、必要以上に怖がる必要はありません。裁判所から届いた書類を確認し、申立内容をあらためて整理したうえで、落ち着いて期日に臨みましょう。
今回のブログ「自己破産の「免責審尋」で何を聞かれる?実際の流れを解説します。」のテーマの解説は以上になります。
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それでは、司法書士の久我山左近でした!












