財産を持っていない方の自己破産はほとんどデメリットがありません!

自己破産ドットコム

こんにちは、「自己破産ドットコム」のコラムを執筆している司法書士の久我山左近です。

自己破産の手続きは、ご自身が所有している財産を処分する代わりにすべての借金の返済義務を帳消しにすることを裁判所から認めてもらう手続きです。債務整理の手続きには3種類の方法がありますが、借金をまったく返済する必要がなくなる手続きは自己破産のみになります。

そんな強力な借金解決の方法である自己破産ですが、その分他の債務整理の方法である任意整理や個人再生と比較してもいくつかのデメリットがあります。他の債務整理と比較しても自己破産の1番のデメリットは間違いなくご自身が所有する財産を処分されてしまうことになりますので、逆に言えばご自身に価値ある財産がないケースだと自己破産の1番のデメリットがないということになります。

今回の自己破産ドットコムのコラムでは、まったく財産を持っていない方の自己破産の手続きについて司法書士の久我山左近が詳しく解説いたします。

今回の記事は借金で悩んでいる方にとって、とても有益な内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。

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目次

換価価値が20万円以上ある財産がない方の自己破産に大きなデメリットなし!

司法書士法人ホワイトリーガル
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自宅やマンションなどの不動産や高額な自動車、株式などの有価証券など、こういった高額な財産をお持ちの方の自己破産はデメリットがいっぱい!どんな大きな借金もゼロになる代わりに、ご自身が所有している多くの財産は処分されて債権者への返済に充てられてしまいます。

また、財産が多くある方の自己破産は当たり前ですが借金の総額も多いもので、自己破産の手続き費用や裁判所に収める与納金も当然に高額になってしまいます。この手続き費用や与納金に関してはなんと数百万円にもなることだってあるんです。

しかし、もしあなたがめぼしい財産を持っていなければ自己破産の1番のデメリットである財産の処分の必要がないんです!先程のケースでは数百万円かかるかもしれないとお話しをした裁判所に収める与納金だって、財産がなければ1万数千円程度で済んでしまいます!

今回のコラムでは、まったく財産を持っていない方の自己破産の手続きについて司法書士の久我山左近が詳しく解説いたします。

自己破産の手続きで処分される財産とは?

  1. 99万円を超える現金
  2. 残高合計が20万円を超える預貯金
  3. 見込額合計が20万円を超える保険契約解約返戻金
  4. 処分見込額が20万円を超える自動車
  5. 退職金支給見込額が160万円を超える場合の8分の1相当額
  6. 自宅やマンションなどの不動産
  7. それ以外でも換価すると20万円を超える財産

以上の財産を持っている方の自己破産手続きは「管財事件」として扱われて裁判所から破産管財人が選任されて、持っている財産を処分されることになります。逆に言えば上記の財産を所有していない方は簡易な手続きで与納金が少ない「同時廃止事件」として扱われます。

それでは、ここからは自己破産の手続きにおいても処分の対象にならない財産について解説いたします。

自己破産で処分の対象にならない自由財産とは?

自己破産の手続きにおいて処分する必要のない財産のことを「自由財産」と言います。

ここからは自己破産しても処分の対象にならない自由財産について解説いたします。

99万円以下の現金

99万円以下の現金であれば、自己破産の手続き開始決定より前にあった場合でも手放す必要がありません。

差し押さえ禁止財産

自己破産の手続き開始決定の前からあった財産でも、差し押さえ禁止財産に当たるものは原則として自由財産になります。

消費者金融からの借金を返さないなど、民事上の義務を果たさないでいると、財産を差し押さえられる可能性があります。しかし、債務者の生活や福祉などの観点から、一定の財産は差し押さえを禁止されています。

生活に欠くことができない衣服、寝具、家具など
具体的には、スマホ、パソコン、ベッド、調理器具、冷暖房器具、衣類、洗濯機、冷蔵庫、電子レンジ、テレビ、ラジオ、掃除機などがこれに当たります。また、1月間の生活に必要な食料及び燃料もこれに当たります。

年金など個別法による差し押さえ禁止債権

ここまでは、民事執行法に定められた差し押さえ禁止財産ですが、個別の法律によって差し押さえが禁止されている財産があります。年金や生活保護受給権、児童手当受給権などがこれに当たります。

自己破産の手続きにおいても、債務者の今後の生活のために必要最小限の財産を確保する必要があります。そのため、差し押さえ禁止財産は原則として自由財産となり手放さなくてよいこととされています。

ここまで解説した自由財産及び換価しても20万円以内の財産に関しては原則として処分の対象になりません。

財産がない方は「同時廃止事件」になります。

裁判所での自己破産の手続きの進め方は、「管財事件」と「同時廃止事件」の2つに分かれます。このうち、同時廃止事件の場合には債権者への配当は行われません。また同時廃止事件だと手続き費用や裁判所の収める金額が低額で済むというメリットがあります。

同時廃止とは?

自己破産の手続きは、原則として「管財事件」という方法で進められます。管財事件では、裁判所から選任された破産管財人が、債務者の財産の調査や換価や配当、借金を抱えるに至った経緯といった免責に関する調査などを行います。

しかし、配当すべき財産がないことが最初からわかっていて、さらに免責不許可事由(借金の免責許可決定が出ない可能性がある一定の事由をいい、ギャンブルや浪費などが原因で借金を作った場合などがこれに当たります。)もない場合には、裁判所が破産管財人を選任せずに簡易な方法で自己破産の手続きを進めていくことになります。

この簡易な手続きのことを同時廃止と言います。この同時廃止事件になるということはご自身に高額な財産がない場合になりますし、また手続き費用や裁判所に収める金額も定額になりますので、自己破産の1番のデメリットである財産の処分がされないということでもあります。

さて、結論になりますがご自身にめぼしい財産がない場合は、財産を処分されるという自己破産の最大のデメリットがありません。もし、あなたが返済に行き詰まってしまった場合で、さらに価値ある財産を持たない場合であれば、自己破産の手続きを前向きに検討してみてはいかがでしょうか?

どうでしょうか、今回のコラム「財産を持っていない方の自己破産はほとんどデメリットがありません!」のテーマの解説は以上になります。

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それでは、久我山左近でした。

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