こんにちは、「自己破産ドットコム」のコラムを執筆している司法書士の久我山左近です。
自己破産はご自身の財産を処分する代わりにすべての借金を裁判所から免除してもらう手続きです。しかし、どんな借金でも免除が受けられるわけではありません。借金の理由が射幸行為や賭博といったギャンブル行為だと借金の免除が受けられない可能性があります。
今回の自己破産ドットコムのコラムでは、自己破産の手続きで借金の理由が射幸行為や賭博といったギャンブルの場合の取り扱いについて、またその対処法について司法書士の久我山左近がわかりやすく解説いたします。
借金でお悩みの方にとってはとっても有益な内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。
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ギャンブルや浪費などが原因の借金は自己破産の手続きでのNG行為です！
自己破産はすべての借金を帳消しにすることができる強力な借金の解決方法なので、その扱いは他の債務整理の方法より厳格になります。ですから自己破産では借金を作った原因についてまで深く追及されることになります。
今回のコラムでは、自己破産の手続きで借金の理由が射幸行為や賭博といったギャンブルの場合の取り扱いについて、またその対処法について司法書士の久我山左近がわかりやすく解説いたします。
賭博や射幸行為といったギャンブル行為や浪費は自己破産のNG行為です。
自己破産には「免責不許可事由」といって、その行為をしていた方の借金は免除しないという規定があります。ここでは、免責不許可事由の「浪費又は賭博その他の射幸行為」について解説いたします。
破産法２５２条１項４号
破産法では「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと」が免責不許可事由の一つに挙げられています。
「浪費」とは、簡単にいうと世間一般で言われている無駄遣いになります。例を挙げれば、外食による支出やブランド商品などの購入といった買い物が極端に多いこと、キャバクラや風俗店、ホストクラブなどへ頻繁に通っていたりする場合は、この浪費に当たると判断される可能性が高くなります。
「賭博」とはギャンブルのことで、「射幸行為」というのは偶然の利益や成功を目的とする行為でギャンブルの一つだといえるでしょう。これらの一般的な例は、パチンコ、パチスロ、競馬、競輪、競艇などがこれに該当します。また、他にも宝くじやtotoのスポーツ振興クジなども射幸性のあるものとされ、株取引、先物取引、ＦＸ取引なども「射幸行為」に含まれます。
自己破産手続きの中で、免責不許可事由に該当するかどうかは上記の行為があったことに加えて、上記の行為が原因で「著しく財産を減少させた」または「過大な債務を負担した」かどうかによって判断されます。したがって、単にパチンコや競馬をしたとか風俗店に通っているとかというだけでは免責不許可事由に該当するとは判断されません。
また「浪費又は賭博その他の射幸行為」でどれくらいの金額に達すれば免責不許可事由に該当するかは一概に判断できるわけではありません。
ここまで解説してきた「浪費又は賭博その他の射幸行為」などの免責不許可事由がある場合でも、裁判官の裁量で免責が許可される場合があり、これを「裁量免責」といいます。免責が許可されるかどうかは、お金を借り入れた事情や生活状況などから総合的に判断されるものです。そのため免責不許可事由であるギャンブルなどの浪費で借金を作った人でも必ずしも免責が許可されないということではありません。
しかし、「浪費又は賭博その他の射幸行為」などの免責不許可事由があると普通に借金の免除が受けられなくなるだけではなく他にもデメリットがあります。それは自己破産の手続きで裁判所に収める費用が高額になることです。
ご自身に価値ある財産がない場合の自己破産手続きは原則として簡易で裁判所に収まる費用も低額な「同時廃止事件」になりますが、免責不許可事由があると裁判所に収める費用が約５０万円とかなり高額な「管財事件」として扱われる可能性が高くなります。
最後は実務的はお話しになりますが、過去の前例からみても免責が許可されない事例は極めて少なく、よほど収入に釣り合わない金額を「浪費又は賭博その他の射幸行為」で作った場合で改善する姿勢が見られないような例外的な場合でない限りは、裁量免責が認められるケースがほとんどです。
どうでしょうか、今回のコラム「自己破産の手続きで射幸行為はどうなる？ギャンブルや賭博はNG行為！」のテーマの解説は以上になります。
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それでは、久我山左近でした。
